dods’ blog - 今と昔のノートブック

今の記録は情報提供。昔の記憶は話題提供。気ままに記します。

この記事を読み、厚労省の不正調査の稚拙さに納得する

2,3週間前から報道されている、厚生労働省による毎月勤労統計調査での不正問題。仕事上、国から課せられる調査には辟易することも多いので、「毎月」は大変だなど同情する面もあります。

 

それとは別に不思議なのは、報道直後から批判のトーンは、低い平均給与額をどうしてくれるんだ!とか、厚労省は低い賃金へと操作しただろう!みたいな論調に終始していること。

 

東京都が全数調査は面倒だと言うので抽出調査でもOKにしちゃった...との厚労省の判断の善し悪しはとりあえず棚に上げましょう。この訴えを渡りに船と壮大なるデータ操作への野心を官僚が抱いた可能性もありえなくはない。訴えを聞きつけた官邸からの指示も絶対なかったとは言えない。


でもそうするなら、もう少し上手にやるはず、と私は思いました。結果が全数調査結果の近似値となるように、全国集計に占める東京都の事業所数なんかは当然調整するはず、と私は考えました。

 

だから下手(?)すると、平均給与額は下がるどころか、上がることだってあるんじゃない? などと思っていたのは私だけでしょうか。

 

そんな私のもろもろの疑問を一気に解決してくれたのは、今日、たまた職場で目にした、1月20日(日)の神奈川新聞の「論説・特報」に掲載されていた、政府統計委員会の西村委員長の寄稿記事でした。核心となる次の部分を引用します。

 

当然ながら抽出されたデータは抽出率分だけ全体の数値より小さくなる。従って抽出率の逆数をかけ元の全事業所に対応する数値にしなけらばならない(これを「復元する」という)。標本調査を行うならこうした復元が必要だが、04年に無断で東京都の大規模事業所を標本調査に変えた際には、復元を行うようにプログラムを変更することを怠った。

神奈川新聞 2019年1月20日

 

これだったら、当然ながら平均給与額は下がります。中学生にだってわかる。小学生だって、東京には大きな会社がいっぱいあるなんてことは知っている。なのに、この小学生レベルの厚労省の計算間違い。

 

しかもそれをその後10数年間放置し、こっそり復元を試みたのは18年1月。ちょうど、アベノミクス効果として賃金の上昇を訴えたかった政権への忖度があったのかどうか、私は語る立場にはありません。

 

また、Twitter などを見ていると、西村委員長がこの時期にこの指摘をする意図に懐疑的な意見もあり、確かに傾聴に値します。

笑っちゃうぜ!! (@24mizushima) | Twitter

 

でも自分としては、どうも報道が分からないと家族とかに訴えていたこの不正調査の神髄をこの記事で納得でき、非常にスッキリしました。