dods’ blog - 今と昔のノートブック

今の記録は情報提供。昔の記憶は話題提供。気ままに記します。

大学評価の報道で考えたこと

10月に入り、ノーベル賞の発表の季節になりました。と言っても自分にとってこの数年の関心事は、村上春樹ノーベル文学賞受賞に限られます。その日が訪れ、内田樹の所謂予定稿がいよいよ朝日新聞辺りに掲載され、ここ数年の留飲を下げることです。

ただ、昨年ノーベル医学生理学賞を受賞した東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんが繰り返し唱える、基礎研究をもっと支援すべきの主張はさすがに無視できないと思います。私立大学も含めて経営の基盤を国の補助金に大きく依存する日本では、その方針は国が打ち出すべきです。

 日曜日の今日、いつものようにPodcastでため込んだ英語番組を聴きながら我が家の掃除。今日聴いていて大いに考えさせられたのが、この番組でした。

 世界の大学のランキングはいろいろな調査機関が年中やってる感じで、正直なところ聞き飽きた感があります。今回はロイターが自然科学系におけるinnovative(革新的、創造的)の度合いで格付けしたようです。

トップは3年連続で米国スタンフォード大とのこと。特にインターネット分野で技術開発を主導し、卒業生にはグーグル、インテル、ヒューレット・パッカード、ネットフリックスの創業者がいる...などに、ふーん、そうかと他人事のように聴いてました。

 雲行きが怪しくなったのは、アジアの大学の凋落について結構詳しい分析が報じられたあたりから。それをほとんど日本に起因する問題とし説明していました。サイトでスクリプトも掲載されているので、その部分を転載します。

 Why are there so few Asian universities on the list? One reason is because Japanese universities, traditionally the strongest research schools in Asia, depend heavily on government support. Japan’s economic growth has slowed over the last 20 years, providing less money for research as a result.

The index service Web of Science found a recent drop in publication of Japanese research. The organization says Japanese researchers were responsible for 8.4% of all scientific papers published in 2005. In 2015, the percentage had dropped to 5.2%.

Reuters’ 2017 rankings reflect that decline in research and development. The University of Tokyo, for example, fell five places to number 21 on the list. Osaka University is now number 24. Last year it was 11th. And, Keio University went from 53rd in 2016 to 78th this year.

なぜアジアの大学は少ないのでしょうか。 理由の一つは日本の大学です。アジアでは最有力の研究機関が数々ありますが、どれも政府の支援に大きく依存しています。 日本の経済成長は過去20年間で減速し、その結果として研究費が削減されました。

科学分野のウェブ検索サービスによると、日本の研究論文の数がこのところ低下しています。それによると、日本の研究者が2005年に発表した論文数はすべての科学論文の8.4%を占めていたのが、2015年にはその割合が5.2%に低下しました。

ロイターの2017年の大学ランキングも、研究開発分野におけるこういった減少が反映したものとなっています。 例えば、東京大学のランキングは5位下がり21位に。 大阪大学は現在24位ですが、昨年は11位でした。 慶応義塾大学は昨年の53位から今年78位に下がりました。

 日本国内の報道で、ここまでハッキリと日本の大学のランキング低下を日本の経済の減速を遠因とし、研究費削減を主因とする報道がなされている例を私は知りません。私は大隅良典さんほどの知識も経験もない文系人間ですが、大隅さんが国に危惧していることは、あのような合点の行かない衆院解散ひとつをとっても、大いに納得してしまいます。