dods’ blog - 今と昔のノートブック

今の記録は情報提供。昔の記憶は話題提供。気ままに記します。

すべての見えない光

小説とかを英語で読むと、自分の場合、日本語で読むよりも確実に時間がかかります。それでも原作を読んでみたい気持ちが勝る場合など、比較的時間に余裕のあるこういう時期に挑戦します。それに多少の勉強も兼ねて。

All the Light We Cannot See

All the Light We Cannot See

 

 秋頃から、この "All the Light We Cannot See"を読んでみたいとずっと思ってました。8月に邦訳「すべての見えない光」が出版され、各新聞の書評を目にしていたからです。年末の書評欄で今年のベスト3に入れた作家もいました。

これから読む方のためにストーリ紹介は控えますが、背景となるのはナチス政権下のドイツと、それに支配されたフランス。主人公はフランス人の少女Marie-Laure とドイツ人の少年Werner。この二人を中心に、ドイツの炭鉱町、パリの博物館、ドイツ軍のエリート養成学校、フランスの港町などを舞台にして物語は描かれます。

確かに傑作です。特に最後の50ページ。読み手を先へ先へと引っ張りつつ、ストーリーの終焉をさみしく思わせる、そのテクニックと言ったら!

登場人物の引き立たせ方、時代を行きつ戻りつ展開する構成も抜群です。戦争用語とか、生物学・物理学の専門用語に四苦八苦しながらも(注文前、なか見!検索を覗いた時点で不安でした)、予想以上のスピードで読んでしまいました。

あと、もうひとつ。この小説ではラジオがとても印象深く用いられています。ラジオ好きにとっては、作者Anthoy Doerr氏のラジオへの愛情がよく伝わります。

英語ででも日本語ででも、読んで損はない作品です。